so-ma-to


2010年、父が認知症のため、要介護認定を受けた。様々な記憶を忘れてゆく父。
忘れるより早く、新たな思い出を残そうと撮影を行うようになった。

東京に出て来て18年。両親と過ごした18年と同じだけ、両親と離れて過ごす時間が過ぎた。
数年に1度帰省すれば良い方で、帰省しても父親と2人でどこかへ出かけるという事などは先ず考えられなかった。

そんなある日、横浜に住む兄から「父の肺に影があり、ガンの可能性も十分考えられる」という内容の連絡を受けた。初めは、その言葉の示す意味が良く分からなかったが。電話を切り、想いを巡らせるうちに、永遠にあると思っていた父との時間のカウントダウンが始まっていた事に気付く。

幸い、肺の影はすぐに摘出が必要なほど悪性のものではなかったが、検査を行う間にも、「認知症」という別の病は確実に進行していた。

自分にとっての父とは何なのか。父は今何を思い生活しているのだろう。ほとんど密なやり取りの無いまま過ごした18年という歳月を取り戻すように父との撮影が始まった。

※現在、写真集製作中です。